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JR常磐線特急電車 651系

社会交通工学科2年 菅沼 智博

1. 651系の誕生
 1989年3月のダイヤ改正の時、JR東日本常磐線の特急電車に新たな形式が誕生した。651系特急電車である。また、この電車は同時に新設された特急スーパーひたち号の専用車両として、JR東日本が初めて開発した、特急電車でもある。
 それまで常磐線の特急ひたち号には、国鉄から引き継いだ485系特急電車が使用されていた。その中には初期のボンネット型先頭車の編成もあり、20年以上使われて老朽化が目立つ車両も数多く存在した。そこで、特急ひたち号の一部が特急スーパーひたち号に置き換えられ、新たな常磐線特急電車、651系の活躍が始まった。




2. フレッシュひたち号の新設、そして増発
 1997年10月に651系の後続となるE653系が登場し、特急ひたち号の完全置き換えを目的として、特急フレッシュひたち号が新設された。E653系特急電車は特急フレッシュひたち号の専用車両として運用に就き、1998年12月、485系特急電車は全て引退した。ここで常磐線の特急電車は、スーパーひたち号とフレッシュひたち号に統一された。
 それ以降、常磐線特急の利用者は増加が続き、ダイヤ改正の度に特急フレッシュひたち号の増発がなされた。そして、増発によってE653系のみの運用では必要編成数が足りなくなったため、651系を使用するフレッシュひたち号が運転されるようになった。




3. 現在の運用列車
 2009年8月現在、651系特急電車は特急スーパーひたち号の全列車と、特急フレッシュひたち号の一部の列車(13号・55号・69号・71号・75号/4号・8号・40号・68号)で運用されている。特急フレッシュひたち号についてはフレッシュひたち料金回数券が使えるため、この回数券で651系に乗車することも可能である。




写真 驀進する651系 牛久〜佐貫間にて撮影




4. 651系の今後
 2009年3月で651系特急電車は運転開始から20年が経過した。2000年から651系の全編成にリニューアル改装が行われているが、近いうちに651系が特急列車の運用から引退することが考えられる。今のところ明確な引退報道はないが、かつての485系特急電車が20年過ぎに引退が始まったことを考えると、651系が特急電車として常磐線を駆け抜けるのも、残り数年となるであろう。





 
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